自動車サイバーセキュリティの未来を切り拓く、比類なきスレットインテリジェンス

2024年6月11日
VicOne
自動車サイバーセキュリティの未来を切り拓く、比類なきスレットインテリジェンス

自動車技術が目覚ましい進化を遂げる中、サイバーセキュリティの重要性は日に日に高まっています。自動車がより多くのコネクテッド機能とソフトウェアに依存するようになるにつれ、自動車のコンポーネントやシステムの脆弱性を突くサイバー攻撃の標的になりやすくなっています。2023年上半期だけでも、複数の自動車ブランドに影響を与える深刻なCPUの欠陥を含む200件以上の脆弱性が報告されました。これらの脆弱性は、車載インフォテインメントシステム(IVI)、オペレーティングシステム、電気自動車の充電器など、さまざまなコネクテッドカー技術に及んでいます。車両のセキュリティと消費者からの信頼を維持するためには、未知の「ゼロデイ」脆弱性であれ、既知の「Nデイ」脆弱性であれ、自動車の脆弱性を迅速に特定し修正することが非常に重要です。

中でもゼロデイ脆弱性は、ベンダーによるパッチが存在せず、悪用可能であることが確認されているため、特に危険といえます。攻撃者がゼロデイ脆弱性を突くことで、深刻な被害をもたらす可能性があります。これらの脆弱性に対する解決策がない場合、攻撃者は繰り返し悪用し、継続的な脅威となります。また、同じオープンソースソフトウェアやモジュールが複数の電子制御ユニット(ECU)で使用されていることが多いため、たった1つのゼロデイ脆弱性が自動車のエコシステム全体の多数のコンポーネントに影響を与え、広範囲に被害を及ぼしかねません。

VicOneはこれまでも自動車の脆弱性が現実世界に与える影響の可能性を警戒してきましたが、このたび自動車の脆弱性に特化した画期的なデータベース「AutoVulnDB」を立ち上げるために、Automotive Security Research Group(ASRG)と提携しました。これにより、VicOneは自動車のスレットインテリジェンスを他に類を見ない範囲でカバーし、包括的な脆弱性管理における業界のリーディングカンパニーとしての地位を確立したといえるでしょう。

既知および新たなセキュリティリスクの明示

AutoVulnDBは単なる脆弱性データベースではありません。自動車業界に特化して最適化されているのが特徴です。ゼロデイ脆弱性からNデイ脆弱性まで、自動車の脆弱性について状況に応じた詳細なデータを追加することで、より深い理解を提供します。このアプローチにより、業界全体の意思決定者が、システムを保護するためのタイムリーかつ適切な判断を下せるようサポートします。

AutoVulnDBは、National Vulnerability Database(NVD)やMITREのCommon Vulnerabilities and Exposures(CVE)といった既存のフレームワークを補完し、自動車業界特有のスレットインテリジェンスと洞察を加えています。これにより、AutoVulnDBは自動車メーカー、サプライヤー、その他の業界関係者にとって欠かせないツールとなります。サイバー攻撃を阻止し、潜在的な脅威が深刻化するのを未然に防ぐ手助けをするのです。

Figure 1. AutoVulnDB, a database from VicOne and ASRG aimed at helping automotive OEMs, suppliers, and other industry players discover and fix automotive vulnerabilities

図1.:VicOneとASRGが提供するAutovulnDBは、自動車メーカー、サプライヤー、その他の業界関係者が自動車の脆弱性を発見し修正するのを支援することを目的としたデータベース

AutoVulnDBには、以下のような主要な特徴があります。

  • 使いやすいインターフェース: AutoVulnDBは、関連する脆弱性情報に簡単にアクセスできるように設計された検索機能を備えたインターフェースを提供しています。これにより、ユーザーは重要なデータをすばやく見つけて対処できます。
  • 包括的なデータパイプライン: 品質チェックとデータの充実化プロセスを組み込むことで、AutoVulnDBは提供される情報が実用的で信頼できるものであることを保証します。
  • 充実した状況に応じたデータ: AutoVulnDBは、単なる脆弱性のリストではなく、自動車業界特有のリスクを理解し、軽減するための貴重なリソースとなるよう、状況に応じた詳細なデータを提供します。

脆弱性管理の新たな基準を確立

VicOneがAutoVulnDBの開発に携わっていることは、自動車のサイバーセキュリティを向上させるという同社の強い意志の表れです。脆弱性の発見と管理における豊富な経験と専門知識を持つVicOneは、AutoVulnDBを業界の新たな基準となるリソースに仕立て上げるのにうってつけの存在っていえます。その実績には、Tesla社がスポンサーを務め、自動車の脆弱性に特化した唯一のイベントである「Pwn2Own Automotive」の主催も含まれます。

VicOneは、AutoVulnDBに深い知識と実践的なインテリジェンスをもたらし、現在のみならず、新たに出現する脅威にも対応できるようにします。また、世界最大のベンダー中立のバグバウンティプログラム(脆弱性報奨金プログラム)であるトレンドマイクロの「Zero Day Initiative(ZDI)」プラットフォームとの連携により、AutoVulnDBの脆弱性インテリジェンスのカバー範囲が拡大し、潜在的な脅威に関するより詳細な情報が得られます。さらに、VicOneはASRGと緊密に連携することで、AutoVulnDBをオープンな協調的プロジェクトとして進めています。サイバーセキュリティの専門家や研究者からの貢献を広く呼びかけ、データベースを継続的に改善・拡張していくのです。​​​​​​​​​​​​​​​​

脆弱性発見によるサイバーセキュリティ革命

VicOneとASRGのパートナーシップは、こうしたコミュニティとの協調性を重視しています。業界の専門家や研究者にAutoVulnDBへの貢献を呼びかけることで、活発に継続的な改善が行われるリソースの構築を目指しています。このようなコミュニティ主導のアプローチにより、AutoVulnDBは進化し続けるサイバー脅威に対して常に有効で適切であり続けることができるのです。

AutoVulnDBは、自動車のサイバーセキュリティにおける重要な節目となるでしょう。コネクテッドカーが普及するにつれ、業界特有の堅牢なセキュリティソリューションの必要性はこれまで以上に高まっています。VicOneは、包括的なサイバーセキュリティツールと協調的な取り組みにより、このクリティカルな分野の最前線に立っています。VicOneは現在の車両システムを保護するだけでなく、高度なスレットインテリジェンスと実用的な脆弱性管理ソリューションを統合することで、自動車テクノロジーにおけるより安全で安心な未来への道を切り拓いていきます。

AutoVulnDBの詳細は、asrg.io/autovulndbをご覧ください。​​​​​​​​​​​​​​​​

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